今回は袋を利用した着物の保管の仕方についてご紹介します。
着物を保管する上で、大敵となるものは何でしょうか。湿気や虫など、様々なものがあげられるかと思います。
特にマンションにお住まいの方は、着物の保管に頭を悩ませていませんか?
そこで、本記事では私の失敗談も交えつつ、着物の保管方法についてお伝えします。
着物の保管には袋の利用がおすすめ
まず、「着物は箱の中に入れて保管しないといけない」という既成概念は取り払いましょう。
着物を保管するにあたって、「袋」はとてもおすすめの方法です。
中に着物を入れてもケース自体が軽いため、楽に持ち運ぶことができます。また、押し入れやクローゼットの上段に収納しても取り出しやすくて便利です。
着物保管用の袋には不織布がよく使われています。不織布タイプの袋には箱型になっているものや、たとう紙型のものがあり、収納場所や用途に応じて使い分けることが可能です。
着物保管袋 袋タイプ(箱型)
不織布でできた箱型の収納ケースです。押し入れの中にも収納しやすいですよ。
角がしっかりしているため、積み重ねることもできます。2段重ねにする場合は、下段のケースを満杯にしてから上段のケースを上にのせるようにしましょう。
下段のケースがスカスカな状態だと、上段のケースが安定しません。
以下は私が実際に使用し気に入っている保管袋です。
炭入り消臭着物一式収納ケース A-02 (×2個組)
商品サイズは(約)92×42×18cm(持ち手含まず)。
材質は本体/ポリプロピレン不織布、持ち手/ポリプロピレン不織布、窓/EVA樹脂、中芯/紙
竹炭着物収納ケース 2葬式 着物2~3枚葉 保管ケース
はじめから2段組になっているタイプもあります。
着物保管袋 袋タイプ(たとう紙型)
着物を1枚ずつ入れて重ね置きしたい場合は、たとう紙タイプの袋がぴったりです。
ただし、重ね方によっては型崩れを起こしてしまうこともあります。着物の枚数が多い場合は、箱型タイプの方が無難です。
では、私がよく使っているたとう紙タイプの袋をご紹介しますね。
きものキーパー きもの保管袋 ファスナー付き 着物保管袋
機能性フィルム「プロガード」製。
着物を袋に入れて保管するときの注意点
袋保存は便利ではありますが、袋保存ならではの注意点もあります。
着物はできるだけ高い場所で保管しよう
着物の保管場所は、できるだけ高い所が望ましいです。
なぜなら、湿気は下に下がるから。下よりは上に保管した方が長持ちしやすくなります。
複数の着物を同じタンスに収納する際は、高い着物を上段に入れておくようにしましょう。
また、プラスチックケースに着物を入れて保管する場合は、ケースに湿気がたまらないよう底にすのこを敷いてください。
そして、定期的に引出しを開けたりフタを開けたりして、空気を循環させることも大切です。
湿気を吸ったたとう紙は交換を
たとう紙は和紙でできています。湿気を吸ってヨレヨレになっていたら、新しいものに代えてください。
特に、着物を数枚重ねて保管している場合は要注意。下の着物に湿気がたまりやすくなっているため、定期的にチェックしてあげてください。
和装小物も虫食いの被害に遭う
小物の虫食いにも気を付けてください。
以前、私のモスリンの腰ひもに虫食いのあとが付いてしまったことがありました。原因は防虫剤の交換を忘れていたためです。
和装小物しか入っていない引出しだったので、「虫食いの心配はないだろう」と勝手に思い込み、完全に油断していました。
特にウール系は、虫が大好きな素材です。
着物だけでなく、小物類にも気を配るようにしましょう。
着物の保管で必須!虫干しに適する時期を把握しておこう
着物の虫干しに適している時期は以下の通りです。
土用干し | 7月下旬~8月上旬頃 | 梅雨で湿気を吸った衣類を乾かすのが目的 |
虫干し | 10月上旬~11月上旬頃 | 夏の間に付いた虫を追い払い、掃除するのが目的 |
寒干し | 空気の乾燥した1月下旬~2月上旬頃 | 衣類の湿り気を抜くのが目的 |
とはいえ、実際は年に1度もできないようなことも珍しくありません。大変な作業ですしね。
そのような場合は、できるだけ着物を着て出掛けるようにしましょう。
着物の保管方法 袋を使って長持ちさせるコツまとめ
袋を使って着物を保管し、長持ちさせるコツについて解説してきました。
ちなみに私は、着物を着て出かける派です。できるだけ1年に1回は袖を通すよう心がけています。
ただ夏の着物については、後のお手入れのことも考えてしまい、あまり袖を通せていません。数年に1回のペースです。
そのような場合でも、タンスの引き出しを開けて空気の入れ替えをすることだけは、忘れないようにしています。たったこれだけでも、着物の保管状態に差が出ますよ。